無痛大腸内視鏡
無痛大腸内視鏡の条件
大腸内視鏡を無痛で受けるには、内視鏡が細く柔らかいこと、内視鏡医の技術が優れていること、患者側要因として、強い炎症・腸管癒着・知覚過敏・過度の緊張がないことが条件となります。これらのどれかでも欠けてしまうと苦痛が生じるのです。また内視鏡時に腸内に入る空気が検査後の腹痛の原因となるので、対策が必要です。
細径大腸内視鏡の採用
平成29年8月より、富士フイルム社の細経・硬度可変式大腸内視鏡EC-L600MP7を採用しました。新世代のレーザー光による病変観察が可能な最新モデルです。レーザー光の発光比率を変え、さらに粘膜表層の微細な血管や粘膜の微細な模様などを強調して表示する「Blue LASER Imaging(BLI)機能」や、画像の赤色領域のわずかな色の違いを見やすく表示する画像処理機能「Linked Color Imaging(LCI)」などにより、微小な病変の観察をサポートします。細経のため、挿入性に優れ、患者さまの負担も軽減することができるモデルです。細く曲がりくねった道を大型トラックで進むのと、軽自動車で進むのとでは、どちらが楽かお判りになるかと思います。更に、硬度可変といって、必要に応じ、内視鏡を硬くしたり柔らかくしたりすることで、様々な体型の方に対応できる内視鏡です。
豊富な経験と実績
院長は、消化器内視鏡でも特に大腸内視鏡を専門としてきましたので、大学病院および関連病院を中心に、1万件以上の症例経験があります。もちろん検査のみにとどまらず、ポリペクトミー、粘膜切除術(EMR:Endoscopic Mucosal Resection)はもちろん、 大腸では特に高度な内視鏡技術を要求される粘膜下層剥離術(ESD:Endoscopic Submucosal Dissection)という特殊な治療内視鏡も中心にやってまいりました。なかには一般病院や専門病院で治療できなかった症例、あるいは不十分な治療で遺残再発した症例にも対応してきました。挿入技術のみならず、内視鏡診断と治療技術に関しても高水準の内視鏡検査を提供いたします。初めての方はもちろん、過去に検査で辛い思いをした方、奥まで入らなかった方もお任せください。尚、観察・組織検査だけのクリニックもありますが、当院ではポリープ切除もしています。
軸保持短縮法で挿入時の痛み無し
内視鏡の挿入は、軸保持短縮法という苦痛のない挿入法を原則としています。特殊な技術であるかのように喧伝しているクリニックもあります(笑)。たしかに習得が簡単な技術でないことは間違いないですが・・・。一般的な挿入スタイルではループ法といって腸管を伸ばして挿入します。ループで入れると必ずしも苦痛があるわけでなく、この挿入法でないと入らない方もいらっしゃいます。軸保持とループの中間のような挿入パターンもあります。要は、腸管を過度に伸展させると痛みがでるのです。軸保持短縮法では腸管を蛇腹状にたたみながら挿入するので、痛みがないか、最小限とすることができます。ただし腸の状態には個人差があり、全例で全く苦痛なしという訳にはいきませんのでご了承ください。
適宜、鎮静剤・鎮痛剤を使用
原則として鎮静・鎮痙を使用せずに検査を行いますが、適宜使用し、より安楽に検査を受けられるよう配慮しています。検査を受ける方に苦痛を我慢してもらったり、薬で眠っているうちに検査をやってしまったりというスタンスではありません。ともかく如何に安全かつ楽に検査を受けて頂くかを最優先事項とし、大腸内視鏡は苦しい検査だという誤解を解いていただけるよう配慮しています。
炭酸ガス送気で更に安楽に。検査後の腹痛無し。
検査が楽に受けられても、検査中の送気によって腸の中に空気が溜まると検査後の腹痛が生じることがあります。その対策として、炭酸ガス送気を採用 。炭酸ガスは空気と比べると極めて速やかに腸管内および体内から消失するため、検査中はもちろん、検査後のお腹の張りや腹痛が劇的に軽減するため、より安楽な検査となります。もちろん安全です。
下剤は飲みやすく、検査食は美味しく
大腸内視鏡は、「検査自体は問題ないんだけど、下剤を飲むのが苦痛」という方も少なくありません。当院では、マグコロールという下剤(腸管洗浄液)を採用しています。一般的に用いられているニフレックに比べ、かなり飲みやすくなっていますので、全部飲みきらなかったり、途中で吐いてしまう方はまずおりません。さらに検査の前日に摂取する検査食は複数の製品を試食した上で、サンケンクリンMOを採用。1140キロカロリーと検査食としては高カロリーですので、検査前日の空腹感を軽減できます。それでもお腹が空いて我慢できない場合、スープ、おかゆ、鶏肉などの摂取は問題ありません。
大腸内視鏡の予約
検査日は、月〜金の午後で(木曜日を除く)、予約が必要です。どうしても時間の取れない方、諸事情で午後に検査が出来ない方は、朝の診療時間前に行うなど、柔軟かつ速やかに対応するようにしていますので、お気軽にご相談ください。
自治医科大学消化器肝臓内科大腸ESD1000症例記念の画像です。大腸ESDとは、通常のポリープ切除術では切除できない大型の表面型大腸腫瘍を電気メスで剥離する治療法で、高度な内視鏡技術を要する治療法です。手前味噌で恐縮ですが、大腸ESD治療成績で三冠王を頂きました。左の画像真ん中の大きい人の向かって左隣が、お世話になった山本博徳教授です。